輝いてる人 H28年度入学 山田大綱さん

こんにちは!今回も飛翔95号からの記事です。

今回は総合科学部に所属していて、様々な活動などを行っている学生にインタビューし、リアルな総科生の声を聞く『輝いてる人』というコーナーからの記事です!

95号でインタビューしたのは

総合科学科所属 H28年度入学の山田大綱さん。

フィリピン留学や福島の学校へのインターンなど、様々な活動を行なっています!
そんな山田さんの夢は学校教員。いったいなぜ総合科学部に?フィリピンで学んできたこととは?

貴重なお話をたくさん伺うことができました!それではどうぞ!

(インタビュー時:2018年冬)

「自転車」から始まった教師への夢

―山田さんは学内外で色々な活動をしていると伺いました。最近ではどんな活動を?

夏に東日本大震災で被災した福島県の新しい学校に子供たちが寄って帰れるような児童クラブが高校に併設していて、そこにインターンという形で行ってきました。何をやってもうまくいかないと感じてしまいがちな震災に遭った子どもたちの自己肯定感を高め、必要とされているという感覚を育てることが大きな目標です。自己肯定感を高めるためにいろいろな取り組みをしました。職員さんは5~6人と少数ではあるけれど、常に新しいことを子どもたちに提供していました。福島大学の学生を呼んで定期考査の勉強をしたり、地域の人やインターンの大学生と話し合う場所を設けたりなど、やりたいことをやっていました。なので前に進んでいるという感覚が常にありました。人との関係の中で自己肯定感を高める場所です。

―それに興味を持ったきっかけは?

前フィリピン留学に一緒に行っていた、「カタリ場」というNPO法人にいる友達からFacebookで情報が回ってきたので行こうかなあと。もともと教師志望だったのでそういうのに興味があり、機会があればとずっと探していたところにこの情報が来たので、それで行こうかなと。

―なるほど…それでは教育系に興味を持った動機を教えてください。

だいぶ昔の話になるんですけど(笑)、親が教師だったのも潜在的に関与してるとも思いますが、一番は小学校三年生の時に、自転車に乗れない友達に自転車の乗り方を教えることがあって、乗れるようになったその子が、それに対する作文を書いてくれて県のコンクールで入賞したのがめちゃくちゃうれしくて。教えることや人と関わって物事を達成することって楽しいなと思ったのがきっかけです。

―なぜ教育学部ではなく総合科学部を?

これからの教育っていうのは横断的な学習、要はその一つの分野では解決できないような複雑な問題を考える思考力を育てましょうっていう風に文部科学省はいってます。一分野をしっかり学んだとしても、やっぱり世の中にあるいろんな課題は複合的な問題なんです。学際的・多角的な見方をまずは自分が学部の時に経験しておかないと、子供たちにそういう考え方や思考力は教えれないのかなと思い総合科学部を志望しました。

フィリピン留学が転機に

―学内では領域はどちらに?

領域は自然探究。植物で低栄養土壌…例えば土壌中には窒素などの元素がないと植物って育たないんですけど栄養が極めて低い状態のときに植物はどうやって頑張って育っているのかなどを研究しています。

―なぜ自然領域に行こうと思ったんですか?

また横道それるんですけど2年生の冬にフィリピンのネグロス島という、山奥の田舎の貧しい村に行ったんです。水道も3つだけ、食べるものもトウモロコシと野菜ぐらいしかなくてたんぱく源が極端に少ない…とんでもない世界が本当にあるんだなっていうのをそこで知りました。でどうにかしてその人たちを救いたいなっていう気持ちからたんぱく源、特に豆類に興味をもって、こういう低栄養の土壌でも育つような豆がつくれたらこの人たちは本当に幸せになれるんじゃないかなっていうのを考えて植物の方向に進みたいなってそこで思ったんです。

―はじめてフィリピンに行ったのは?

はじめて行ったのが、大学入試のAO試験が受かった後、暇になったので、三月に一か月間フィリピンのセブ島に行ったんですけど、その時のフィリピンの生活がすごく衝撃的で、毎日お祭りなんですよ。貰った給料その日のうちに使って、バーベキューしよう!みたいな感じで。国民性が日本にはない幸せ感というか、価値観が全然違って、フィリピンにはすごい幸せがありふれているなぁと感じて、2回目のフィリピンにつながって、今につながったということなんです。2回目は英語の上達を目指して英語学校への留学という形で行ったのですがそれよりも幸せ感とかそういうのが副産物として手に入りました。

―大学生のうちにあとこれはやりたいなっていうのはありますか。活動とか。

そうですね。この先、実は青年海外協力隊とかも考えていて。これから就活っぽいこととか色々していかないといけないので、自分に残されている期間が3月ぐらいまでなんですけどね。2月にまたフィリピンに行って、農村に入ってイノベーションを起こそうっていうスタディーツアーというものに今回は引率として参加する予定です。村をさらに向上させるために何かできないかなと。

―なるほど…将来はどんな風に?理科の先生とかですか?

そうですね。一応数学はもう教免取っているのですが、理科と数学両方取っておいた方がより横断的な学習ってものを教えられるかなと。

Photo gallery in Philippines ①

必要なのは“モチベーション”

―この授業面白かったな、というのはありますか?

野外実習とかは面白かったです。でも自分の専門が決まれば授業はどんどん楽しくなると思います。自分も豆ってわかった瞬間に細胞科学とか基礎細胞生物学とかそういう授業をとったりしても結構モチベーションが上がってるから身になるというか楽しいというか。文部科学省の話になるんですけど、今生徒に与えるものとして思考力とかを育てないといけないという話をしたじゃないですか。学びたいという意欲が根本にないと思考力に繋がらなくてモチベーションっていうのは一番学びを深めるために必要なものかなと。それがあれば自分も楽しくもっと勉強できたかなと思うんですけどね。

―最後に総科生へのメッセージをお願いします。

モチベーションに関することでもう一つ。本来物事を進めていくのには学び・学習で身につく基礎知識とそれを活用する実践の場が必要で。そのどっちが先でもいいと思うんです。でもモチベーションを上げるためには、実践を先にやって、実践してつまづいたときに助けてくれるのが学びかな。だから例えば、自分もフィリピンに行かなかったら、植物に関しての知識もないし、助けたいとも思わなかったけれども、実践を通して学びたいという欲があがったから、学びも上がってきたんです。実践・学び両方をあげていく必要があると思う。大学のうちにしかできないことをやって、将来お金にならないようなことを進んでやってほしいなって思います。

Photo gallery in Philippines ②

後日談(2019年8月)

インタビューに伺ったのは2018年12月頃だったのですが、今回ウェブマガジンの掲載に伴い山田さんに後日談を書いていただくことができました!

最近よく考えることがあります。僕は今まで一生懸命生きているのかなと。飛翔さんの取材を受け、自分自身を振り返るいい機会になりました。ありがとうございます!

2月に行ったフィリピンでは小さな漁師町に行きました。今回は日本人メンバーと共に現地の大学生を交えて議論しました。やはり現地に行くと、日本では感じることのできない生きている感覚があります。必死になって思いを伝えたり理解しようとしたり、素敵です。
でもそんな楽しさの中に寂しさがありました。その理由は僕が今までこんなに必死になったことなんてなくて、自分の可能性を自分で狭めていたんだなとふと気づいたからだと思います。うまく言えないけど、一生懸命生きることが僕にとって可能性を広げて、ワクワク生きることなのかなと思いました。

僕は現在、大学院に向けて植物の研究に励んでいます。自分の可能性を自分で潰さないように、自分自身に感動と衝撃を与え続けられるように、人生攻めの姿勢で頑張ります。

まとめ

自転車を友達に教えたことがきっかけで教員を目指し、フィリピンに行ったことで転機を迎え…様々なことが絡み合って現在の夢に繋がってらっしゃるんですね。フィリピンの人たちの幸福感、というのが個人的にとても印象的でした。

自分の好きなこと、興味を持てることだからこそ学びたい!という意欲やモチベーションが保てるし様々なことを実践できるのかな、と思いました。

総合科学部の学生にはこんな人をしている先輩もいるんだ!と少しでも興味を持っていただければ幸いです。

それでは今回の記事はここまでです!感想、ご意見はお問い合わせフォームから送っていただければ幸いです。

次回の更新もお楽しみに!

(文責:If.)